車の走行距離は大丈夫?メーター改ざんの意外な真相!5つの偶然が重なり原因が判明!
こんにちは、OSS&Aの才木です。
ブログ更新がなかなか出来なかったのですが、以前ご紹介した ” メーター改ざん ” に関する記事の最終報告をさせて頂かなければと思い、やっと時間を作って更新です!
最後は、 意外!? な結末ですので最後までお読み下さい!
⇒ 前回の記事はこちら『【あってはならない事件発覚!?メーター改ざん】中古車業界を変えるには何が必要か!!』
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メーター改ざん発覚の瞬間!
前回の記事を読んで頂くと今までの流れは分かって頂けると思いますが、もう一度簡単におさらいをしたいと思います。
その前に ” メーター改ざん ” がどうして良くないかをご説明します!
どうしてメーター改ざんをするの?
私には無縁だと思っていた ” メーター改ざん ”
昔は、走行距離の多い車を業者が仕入れて、メーターを巻き戻し走行距離を少なく見せて販売する。
そうすることで・・・
【安く仕入れをして、高く販売する】 = 【利益が大きくなる】
ということになり、当たり前のようにされていたようです。
また、当時のメーター自体が簡単に巻き戻せる構造だったので非常に多くのクルマがメーター改ざんされていました。
ただ、現在は消費者を守るための法律が沢山あり、消費者が被害を被るような行為は厳しく法律で罰せられます。
このメーター改ざんも法律で厳しく罰せられる犯罪行為の一つです。
メーター改ざん車って、本当によくないの?
例えばあなたが中古車屋さんに行ってこんなクルマが販売されていたとします。
平成20年式 走行距離8,500km 最上級グレードで装備も充実!
前オーナー様は、お買い物でしか使われていなかったので走行距離が少ないです!!
お値段もかなりお安いです!!
いかがですか?値段も安くて、装備も良い。年式からすると走行距離が少ないけど、その理由もしっかりと説明されている。走行距離が多いよりは少ないにこしたことはない・・・。
これだけの掘り出し物は直ぐに売れてしまうかもしれない・・・
ん~
でも、直ぐに決めてしまうのもどうなのか?他のお店にも似たような車があるかもしれない・・・。
色々迷っていると・・・
店員さんからこんなささやきが・・・
『この年式で、この走行距離。しかも最上級グレードでこのお値段!!他にはないですよ!!
一度、ネットで調べて見て下さい』
実際に調べてみると、確かにお買い得な一台だ。
迷っていても仕方がない。このクルマに決めよう!!!
そうなんです!
メーター改ざん車は、一般消費者に不利益を与えることが非常に多いクルマなんです!
では、何故メーター改ざんが発覚するの?
クルマを購入した一般消費者がメーター改ざん車と知らずにそのまま乗り続けていると言う事は、こわい事ですが多いかもしれません。
何故なら、何かしらの証拠がないと分からないからです。メーター改ざんする者は、証拠が見つからないように細心の注意を払っているので証拠を見つけるのは難しいと思います。
クルマに乗っていて、何だかヘンだな??と思っても確たる証拠がないと誰にも言う事が出来ませんよね?
では、なぜメーター改ざん車が発覚するのでしょうか?
それは・・・
意外な所に走行距離が記載されている場合があるからです!!
よく目にするのがオイル交換をした際の記録のステッカー。何年何月何日に、走行距離がこの時に交換しましたというステッカー。
他には、バッテリーを交換した際のステッカー。これもオイル交換時と同じようにいつ、何kmの時に交換したかが記載されています。
その他には、メンテナンスノートや車検証、記録簿など走行距離の記載がある資料から分かるんですね!
この様にステッカーや走行距離の記載のある資料が、あまり目に付かないところ(実際にあったのは、バッテリーの底にステッカーが貼られていたケースがあります)に貼ってあったり、入っていて偶然見つけたときに発覚するんです。
私の場合、これで発覚しました!!
メーター改ざんが発覚するにはいくつかのパターンがあるかと思いますが、私の場合はこれで分かりました。
【車 検 証】
実際のメーター表示と車検証に記載されている走行距離が違ったのです・・・。
実際のメーターの距離 : 106,361km
車検証の距離 : 132,900km
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走行距離が違うのは明らか。でも・・・ひょっとしたら・・・
実際のメーターの走行距離と前回車検時の走行距離。
現時点でこの二つの走行距離が違うのは確か(2年前の走行距離から減っている)。
いわゆるメーター改ざん車であるには間違いない。
でも・・・
よく考えると、何かがひっかかる・・・
そう思ったのには理由があります。
それは・・・
クルマに何かヒントがあるかも!一度調べる価値はある!
最初はメーター改ざん車で間違いないと思いました。
状況からしても疑う余地はありません。
でも・・・
一つだけ、気になる事があったんです。
所有者が某ディーラーだったのです
車検証を見て今回の出来事が発覚したのですが、逆に車検証を見て一つだけ気になる事があったんです。
それは所有者が ” 某ディーラー ” さんだったことです。
ディーラーがメーター改ざんして、得な事ってある??
そう思ったのです。
所有者がディーラーさんだから、メーター改ざん車はない!ってことは、もちろんありません。
ましてや ”所有者” と ”メーター改ざん車” は何の関係もありません!
でも、何かがひっかかった私は、クルマを調べてみることにしました。
何か証拠が見つけられるかもしれないという想いで!
そして!!
手掛かりになる重要な物を発見!
まずは車内を探しています。車内にはメンテナンスノートや記録簿のような走行距離が確実に分かるような物は乗っていませんでした・・・。
ただ、フロントガラスに法定点検のステッカーが貼ってありました!
しかも私のお店からそんなに遠くないディーラーさんで1年以内に法定点検を受けている!
次はエンジンルームです。
ここにも手掛かりが二つ見つかりました!
一つは、エアフィルターを交換した際のステッカー。
もう一つは、バッテリーを交換した際のステッカー。
偶然にも両方とも、前回車検時の日にちからそんなに離れておらず、近い日にちで交換されています。
また、エアフィルターは法定点検を実施したディーラーさんと同じ店舗。
残念ながら、この時点ではバッテリーは何処で交換されたかは分かりませんでした・・・。
他もくまなく探してみましたが、残念ながら手掛かりとなるものは見つからず、この三つが手掛かりとなりました。
もう一度、この手掛かりを踏まえたうえで、走行距離の推移をまとめてみます。
平成25年2月14日の距離 : 86,500km (4年前の車検時)
平成27年2月20日の距離 : 96、968km (エアフィルター交換時)
平成27年2月27日の距離 : 132,900km (2年前の車検時) ←
平成27年9月19日の距離 : 100,150km (バッテリー交換時)
平成28年3月11日の距離 : 不明 (法定点検実施日)
平成29年1月21日の距離 : 106,361km (弊社仕入れ日)
いかがでしょうか?
前回車検時の走行距離だけが、何かおかしいですよね?
他は年数と走行距離がおよそ合ってますよね!
やはり、何かがおかしい!!
ということで、どのような対応をされるか心配でしたが法定点検を実施したディーラーさんに直接出向いてみることにしました!!
さて、一体どうなるのでしょうか!!
重要な手掛かりとなるディーラーさんを訪問!
とてもデリケートな走行距離の問題。
しかも、何処の誰か分からない中古車屋の人間。
とても大きな組織であるディーラーさん。
こんな状況の中で、『走行距離に少し問題がありまして、お話を聞かせて頂きたいのですが・・・』
と言っても、相手にされないのではないか・・・
という不安の中、ディーラーさんを直接訪問することにしました。
内心ホッとして、待つことに・・・。
私の心配をよそに、非常に丁寧な対応をして頂きました。
とても親切なディーラーさんで良かったです!
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そして遂に、真実が明らかになりました!
不安な気持ちで訪れたディーラーさん。
しかし、私の予想を反してとても丁寧な対応をして頂きました。
なんと、一番の疑惑であった ” 平成27年2月27日 ” に行われた車検時の走行距離。
その日の走行距離が分かる資料が残っており、教えて頂けることに!!
その真相とは・・・
96,900km!
車検証に記載されている走行距離が間違っている!
公的機関が発行したものに誤記載があった!
これが真相です!
ディーラーさんで、その資料のコピーを頂き、後日陸運局に行ってきました。ディーラーさん等の記録があると陸運局で走行距離の訂正をしてもらえます。
訂正をしてもらった車検証がこちらです。
メーター改ざんではなく、陸運局で何らかのミスがあり、しかもいくつか行われるチェックもスルーされた結果の事案でした。
最初は、本当にどうなるかと心配でしたがいくつかの偶然が重なり真相が明らかになりました。
大騒ぎをしてしまい、どうもすみませんでした・・・m(_ _)m
まとめ
お客様に指摘された事で発覚した今回の出来事。多くの場合、メーター改ざん車という結果で終わってしまうのではないでしょうか。
今回は、いくつかの偶然が重なり真相が究明されました。
その偶然とは・・・
① 私のお店の近くで法定点検が実施されていた。
② 法定点検が実施されたお店がディーラーさんで、店舗名までステッカーに記載されていた。
③ 法定点検を実施した店舗で、2年前に車検を受けていた。
④ お客様にも説明出来る、走行距離の推移が分かるステッカーが二つ残っていた。
⑤ そのステッカー二枚とも法定点検をされた同じディーラーさんで貼られていた。
法定点検が実施されていなければ、フロントガラスに貼られているステッカーが無く、何の情報も得ることが出来ませんでした。
また、法定点検が実施されていてもディーラーさんでなければ、そのお店を探し出す事が出来ず、確認を取ることが出来ませんでした。法定点検のステッカーには実施した店舗名の記載しかなく小さな整備工場さんなどでしたら電話番号を調べることも不可能でした。
法定点検を実施した店舗が分かっても、2年前に車検をその店舗でしていなければ車検時の記録は無く走行距離は不明でした。
2年前の車検時の記録があればOKですが、他に前後の走行距離が証明出来るものが残っていれば、走行距離の推移からお客様にも更に納得して頂ける事になります。今回で言いますとエアフィルター交換とバッテリー交換。両方とも同じディーラーさんで行われていたので、説得力が増します。
以上のようなことが偶然にも重なり、お客様に説明させて頂いたところご納得して頂き、当初の予定通りご購入して頂く事になりました。
お客様にはご不安とご心配をおかけすることになり本当に申し訳ございませんでした・・・。
私自身、クルマを仕入れた時点で十分にチェックをして今後、このような事が起きないように心がけて参ります。
今回は、陸運局での誤記載という結果で終わりましたが、メーター改ざんというのはまだまだあります。
中古車をお選びの際にはクルマ自身も重要ですが、一番大切なのはやはり ” お店選び ” だと思います。
中古車は非常に高価な買い物です。
慎重に選んでいただき、楽しいカーライフをお過ごしください!!
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